10月17日は「沖縄そばの日」

沖縄そば伝道師・野崎真志

2007年10月15日 09:49



10月17日は「沖縄そばの日」です。

ちょっとうんちくを書いておきます。
別サイトで記事として書いた文章なので、かた苦しいですがご了承くださいませ。



【沖縄そばとは】

沖縄の県民食として老若男女から愛され続けている沖縄そば。
沖縄そばの起源については、明確な記録は残っておらず様々な諸説がある。

14世紀後半に中国の明から伝わったという説、15世紀 中国から琉球王朝に訪れていた冊封使によって伝わったという説 中国人が長期滞在中に作り出したという説など。
いずれにしても 沖縄そばのルーツが中国にあることは間違いないようです。
また、琉球王朝時代には 小麦粉は高価だったため、宮廷料理として特別な位の人にしか食せないほどの贅沢品だったそうです。

沖縄そばの麺は そばには通常 そば粉が使われるのに対して、沖縄そばは小麦粉を使用します。
それに塩水とかん水を混ぜ合わせて麺を打ちます。
また、ガジュマルなどの木を燃やし、その灰を漬けた水の上澄みをかん水として使うのが、昔ながらの技法。
『木灰そば』として人気が高く 現在でも、その方法を用いる店もあります。

茹で上げた麺には、沖縄の高温多湿の気候に耐えるように、油をまぶすのが一般的ですが、最近では生麺を使う店も増えています。
麺の種類は細麺や中細麺、北部地域でみられる平太麺や石垣島の八重山そばに用いられる丸細麺など、様々な種類があります。

沖縄そばのスープは カツオと豚骨を煮込んだものが一般的であるが 鶏ガラ・昆布・塩・いりこ・野菜などを加えたり、
塩や調味料で味を調えるなど、各店舗によって異なります。

材料の配分次第で あっさり目からこってり目の味まで味の幅も無限大です。
現在の沖縄そば志向としては、あっさり目を好む方が多いようで、沖縄そば屋もあっさりとしたスープを提供するお店が増えています。

沖縄そばの具材は もともとは 薬味としてのネギが添えられていた質素な沖縄そばが、時代の変化と共に 味付けされた豚肉(三枚肉・赤身肉・本ソーキ・軟骨ソーキ・てびち)やカマボコ 錦糸卵がのるようになり 沖縄そばにのせる具のバリエーションが徐々に増えてきました。
現在では、ゆし豆腐・野菜炒め・フーチバー(よもぎ)・スヌイ(もずく)チキン・トンカツ・タコス・アーサー(海草)カレー・マーボー豆腐など その広がりはとどまる事を知らない。各沖縄そば屋も 新しい沖縄そばの開発に余念がない。



沖縄そばの日

今から30年以上も前の話。
復帰後、沖縄そば業者の組織化を図ろうと設立された沖縄生麺協同組合に、全国生めん類公正取引委員会から『そば粉が30%以上混合されていなければ、そばと表示してはいけない』というクレームが付き、 『沖縄そば』という名称が消滅しそうになりました。

しかし沖縄生麺協同組合は、沖縄の風土と文化によって育まれてきた歴史ある呼び名である事を訴え続けて、「そば」の名称を存続していくため、製造方法を表記して正式認可を取得するため、数ヶ月に渡り 中国に残る文献資料を探しに行ったり、東京の本庁へ 粘り強く働きかけました。

その努力の結果が実り、1997年10月17日、各地域自慢の麺の名前が並ぶ『生めん類の表記に関する公正競争施行規則』別表に特殊名称として『本場沖縄そば』と登録されました。
その後1997年。沖縄生麺協同組合により、この日をメモリアルデーとして末永く伝えていきたいとして、そばの名称が認可された10月17日を『沖縄そばの日』と制定しました。
それ以来、毎年10月17日には 各地域で様々なイベントが繰り広げられ 沖縄そば屋では独自のサービスが行われるようになりました。

10月17日 沖縄そばの日は 沖縄そば好き(そばじょ~ぐ~)にとっては最高の1日でもあり、沖縄そば屋にとっても熱気に溢れる1日でもあります。
この沖縄そばの日に是非とも沖縄そばの歴史と意味を 美味しいスープと一緒に味わって頂きたいです。





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